離婚時の財産分与と慰謝料

今月の民法サークル「離婚時の財産分与と慰謝料」

2013年6月20日

 静岡大学名誉教授の平野先生を囲んで月一回開いているサークル活動「民法サークル」において、平野先生からお話し頂いた内容を、毎回かいつまんで紹介しています。

【5月民法サークル】

 5月の民法サークルのテーマは「離婚時の財産分与と慰謝料」でした。 例題は次の通りです。

『夫の暴力に耐えかねて逃げるように家を出ましたので、夫が離婚届に押印してくれた時は天にも昇る幸せな気分でした。でも2年が経った今、私の生活は苦しく、家に残してきた道具類や衣類を取り戻したい気分ですし、結婚して2人で築き上げたマンションを彼が一人占めしているのも悔しいのです。離婚の原因は彼の暴力にあったのだから、損害を賠償してもらいたい気分ですが、いまさら請求できるのでしょうか。』

 財産分与に関しては次の規定があります。 民法第768条(財産分与)「協議上の離婚をした者の一方は、相手方に対して財産の分与を請求することができる。 2)前項の規定による財産の分与について、当事者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、当事者は、家庭裁判所に対して協議に代わる処分を請求することができる。ただし、離婚の時から二年を経過したときは、この限りでない。 3)前項の場合には、家庭裁判所は、当事者双方がその協力によって得た財産の額その他一切の事情を考慮して、分与させるべきかどうか並びに分与の額及び方法を定める。」  

 協議離婚の場合、財産分与は協議の中で話し合われるのが普通ですが、それができなかった場合、家庭裁判所に対して協議に代わる処分を請求することができます。ただし、離婚して2年が経つと、財産分与に関して除斥期間(時効)となり、財産分与の話はできなくなります。例題の場合、2年が経ったとのことですから、財産分与は諦めざるを得ないということになります。

 これに対して、損害賠償に関しては次の規定があります。 民法第709条(不法行為による損害賠償)「故意または過失によって他人の権利又は法律上の保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。」 

 損害賠償の請求は時効が3年です。精神的損害の賠償請求が慰謝料請求ということですから、慰謝料請求であれば、まだ間に合います。

 尚、裁判離婚の場合は、家庭裁判所が、慰謝料も含めて財産分与を決定します。専業主婦の場合、妻の寄与分は50%とするのが一般的だそうです。最近は、退職金、年金も50%は財産分与を認めるという動きが出てきているとのことです。

 (所長)

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