被相続人に帰属した積極財産と消極財産を調査し、どこにどれだけの遺産があるかを明確にします。この遺産調査は、遺産分割協議の基になる遺産の範囲を確定するものであり、かつ、相続人(=法定相続人)が相続の方法を決定する際の重要な判断材料ともなります。
具体的には、被相続人名義の不動産、預貯金、株式、債券、自動車、貴金属・宝飾品、家財道具等の存在と金銭的価値、および借金や保証債務等の存在とその金額を明らかにします。
被相続人名義の土地・家屋の名寄帳、固定資産税評価証明書、各不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)を取得して、不動産の状況を把握します。担保権が設定されているか否かも確認します。
名寄帳、固定資産税評価証明書は調査対象不動産の所在地の市区町村窓口で、登記事項証明書は調査対象不動産を管轄する法務局や法務支局などで(場合によっては市役所等でも)取得することができます。
被相続人の預貯金通帳、保管されている証券会社からの書類などを調べます。これだけでは漏れている可能性もありますので、更に、周辺の金融機関、証券会社等に照会し、預貯金残高、株式の保有状況、国債等の保有状況などを把握します。
自動車の所有者は車検証で確認します。評価額は中古車市場の相場を調べて、概略を把握します。貴金属、家財等の動産の評価額については、鑑定を依頼したり、同程度の動産の価格を調査することにより把握します。
金融機関から借入れしている場合やクレジット会社に未払残高がある場合などは、信用情報機関に確認することにより、概略の債務が把握できます。
ただし、借金や保証債務の調査は大変難しく、被相続人が個人的に借金している場合、債務の保証人になっている場合、ヤミ金融等の非正規金融業者から借入れをしている場合などは、被相続人が記録を残していない限り、これらを完璧に把握することはほぼ不可能です。
しかし、これを怠ると後で大変な事態になることもありますので、郵送物や保管書類をよく調べる、関係者に聞き取り調査を行う等により、債務等の状況をつかむ為のできる限りのことを行う必要があります。
被相続人が個人事業主や会社経営者であった場合などは、事業に関連して借入れの保証人になっている場合などもありますので、特に注意が必要です。
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