遺言が有効である為には、次のような必要な要件を備えていなければなりません。
遺言は、相手方のない単独の法律行為です。したがって、法律に定められた方式に従わなければ、それを行うことはできません。
また、その作成には厳格な方式が要求され、これに従わない遺言は法的な効力を生じません。
遺言の内容は、どのようなものであってもよいというわけではありません。遺言に法的な効力を生じさせる為には、法律に定められている事項についての意思表示である必要があります。
法的な効力が生じる遺言の内容を法定遺言事項といい、以下の事項等が挙げられます。
【法定遺言事項】
①身分関係に関する事項
嫡出でない子の認知、未成年後見人の指定など
②相続の法定原則の修正
相続人の廃除、相続分の指定、分割方法の指定、特別受益の持戻し免除など
③遺産の処分に関する事項
遺贈、相続させる遺言、遺言信託など
④遺言の執行に関する事項
遺言執行者の指定など
⑤その他
祭祀主宰者の指定、生命保険金受取人の指定・変更など
遺言書は何度でも書き換えることができます。また内容を訂正することもできます。
先に書いた遺言書と後で書いた遺言書の両方が存在している場合、遺言者は一番新しい日付のものが有効となります。公正証書遺言であれ自筆証書遺言であれ、後から書かれたもの(一番日付の新しいもの)が有効となります。
ただし先に書いた遺言書の内容と後から書いた遺言書の内容が抵触しないものについては、その部分についてのみ、先に書いた遺言書の内容も有効です。
遺言書を書き換える場合は、後々の間違いを避けるため、①先に書いた遺言書を完全に破棄する、又は②後から書き換えた遺言書において「前の遺言は撤回する」旨を必ず記載する必要があります。この①②を両方行っておくことをお勧めします。
遺言書の訂正は、民法のルールに従って行う必要があります。ただし、訂正方法を間違えることが多いと思われますので、書き直す方が無難です。
法律に定められている事項に加えて、遺言書を作成するに至った遺言者の心情、遺産分配方法に関する理由、相続人及び家族に対する要望や感謝の言葉、死後の葬儀や事務処理に関する事項などを付言事項として記載しておくことは、非常に大切なことです。相続人間の争いを抑えることにも繋がります。
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