法定後見においては、本人の判断能力の程度に応じて「成年後見」「保佐」「補助」の3類型があり、家庭裁判所の審判により成年後見、又は保佐、又は補助が決定され、開始します。
成年後見とは、本人が一人で日常生活を送ることができない、一人で財産管理ができないというように、本人の判断能力が全くない場合です。その場合、家庭裁判所が後見開始の審判をすると共に、本人(「成年被後見人」といいます。)を援助する人として成年後見人を選任します。
成年後見人は、本人の財産の管理と共に、広範な代理権及び取消権を持ちます。本人の日用品の購入その他日常生活に関する行為(取り消すことはできません。)、一身専属的行為(代理権はありません。)などを除いて、本人の行為能力を制限することになります。したがって、本人に代わって様々な契約を結ぶなどして、本人が日常生活に困らないよう充分に配慮していかなければなりません。
そして、申立てのきっかけとなったこと(遺産分割協議に参加する、保険金を受け取る等)だけをすれば良いものではなく、成年後見人は、本人のために活動する義務を広く負うことになります。これは、通常の場合、本人が亡くなるまで続きます。
尚、成年後見や保佐が開始すると、医師や税理士等の資格や公務員等の地位を失うなど、本人の権利を制限する規定が定められていましたが、令和元年に法律が成立し、上記権利を制限する規定は削除されました。
従前は選挙権も失うことになっていましたが、東京地裁の違憲判決により平成25年5月に公職選挙法が改正され、選挙権は回復しました。
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