協議離婚
今月の民法サークル「協議離婚」
2013年3月2日
静岡大学名誉教授の平野先生を囲んで月一回開いているサークル活動「民法サークル」において、平野先生からお話し頂いた内容を、毎回かいつまんで紹介しています。
2月の民法サークルのテーマは「協議離婚」でした。 例題は次の通りです。『僕たち夫婦は性格の不一致を理由に協議離婚しようと話がまとまりました。しかし幼い子供をどちらが引き取るかで話がこじれて、まとまりません。こんな場合どうすればいいのでしょう。』
民法第766条【離婚後の子の監護に関する事項の定め等】には、「父母が協議上の離婚をするときは、子の監護をすべきものその他監護について必要な事項は、その協議で定める。協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所が、これを定める。」とあります。夫婦間で協議離婚を話し合っていても、子供をどちらが引き取るかが決まらない限り、離婚届けは出せない、協議離婚はできないということになります。従って、子供をどちらが引き取るか決まらない場合は、家庭裁判所に調停又は審判の申立、それでも決まらないときは、訴訟により裁判所に決めてもらうことになります。
ところで、子供の監護の問題は別として、日本は世界で最も離婚しやすい国だそうです。協議離婚又は調停離婚までは、離婚の理由は問われないとのこと。理由を問われると、夫婦それぞれに言い分がありますので、まとまりにくくなりますね。審判や訴訟の段階になると、離婚の理由が問われます。また、裁判所が近年は、「原因を作った者の離婚の訴えは受け付けない」という考え方(有責主義)から変わってきて、「原因を作った者の訴えも認める」ようになってきたとのことです。婚姻を続ける意志のない者の離婚の訴えを無理に拒否することはよくない、という考え方に変わってきたのです。最近、芸能界でも、原因がどちらにあるのかは分かりませんが、離婚訴訟が話題になりましたね。
(所長)