「機械器具設置工事業」の建設業許可申請

「機械器具設置工事業」の建設業許可申請

2013年2月3日

先月、重量機械(大型プレス機械)メーカー様からの依頼で「機械器具設置工事業」の建設業許可申請手続きを行い、無事許可証の交付を受けました。 機械器具設置工事は、『機械器具の組立て等により、土木若しくは建築に関する工作物を建設し、又は工作物の一部を組成し、若しくは一体となって効用を発揮する機械器具を工作物に取り付ける行為をいう。従って、商品生産設備として工場又は事業所において使用される機械器具を工作物に単に緊結する工事は、通常、機械器具設置工事に該当しない。』と定義付けされており、代表的な工事としては、プラント建設工事、エレベータ設置工事などがあります。今回は、依頼を頂いたお客様が、建設業ではなく製造業であり、許可申請の業種もこれまでとはちょっと様子の違う機械器具設置工事業でしたので、私にとっては大変良い経験となりました。同業の方のご参考になればと思い、ポイントになる所を纏めました。

許可申請に当たり先ず留意したことは、重量機械を建築工作物に単に緊結する工事ではないことを、県の審査官に理解してもらうことでした。完成した製品を一旦分解し、納入先の現場に搬入して、設置及び再組立てを行い、関連設備との結合を行い、試運転調整を行い、工事完了検査・検収を経て一連の工事が完了する流れを、説明できるようにすることでした。その為に、会社紹介資料、代表的な製品の設置工事の一連の流れを細かく説明した資料、及びそれぞれの納入製品の写真を依頼者様から提供して頂き、参考添付資料としました。

重量機械の発注者様側からの注文書は、本体価格と設置工事価格を区分けせず、一式で表示している注文書が一般的でした。これだけでは設置工事を請け負っていることが明示できませんので、本体と設置工事の価格を区分けして表示しているメーカー側発行の見積書や、設置工事の作業や金額が記載されている社内資料を提供して頂き、前述の参考添付資料と併せて、「経営業務の管理責任者」の経営経験を証する証拠資料として提出しました。

決算書の作成につきましては、当然ですが製造業としての決算報告内容になっていましたので、これを建設業許可様式に組み替える作業が必要で、かなり時間がかかりました。県の審査においても、別の審査官に決算書のチェックをして頂き、決算書の内容確認だけで1時間ほどかかりました。

今回のような申請手続きでは、地域の一般的な建設業者様の許可申請とは少し異なりますので、申請手続きに当たっては依頼者様とのより緊密な連携及び資料提供等のご協力を得ることが不可欠です。私の場合、依頼者様のご厚意で、重量機械の製造現場の工場見学もさせて頂くことができ、助かりました。

【追記2014.4.3】

昨年(2013年)から「機械器具設置工事業」の許可は、工事の範囲が厳密に限定され、非常に取りづらくなっています。昨年の12月に、酪農設備機器・システムの販売と設置工事をされているお客様の建設業許可を申請するに当たり、牛舎と一体になった牛乳自動搾乳・冷却システム(ミルキングシステム、ミルクパーラー)の設置工事を中心にして「機械器具設置工事業」の許可申請をしましたが、静岡県建設業課の方から工事内容が該当しないとの判断が下され、最終的に「とび・土工工事業」と「管工事業」の許可を取得しました。

県建設業課の方から、「機械器具設置工事業」については、本来設定されている工事の範囲・内容に厳密に限定することにしたこと、及びこのことに関しては東海4県全部の県でレベルを合わせていることの説明がありました。その工事の範囲については、建物や工作物と一体になって機能を発揮するものの工事ということで、例えば「建物へのエレベータ設備の設置」「立体駐車場設備の設置」「メリーゴーランドの設置」「サイロの設置」などが該当するとのことでした。(許可の手引きには、その他にも「プラント設備工事」「内燃力発電設備工事」など大型の設備工事の例が記載されています。)

中小の建設業者で、エレベータや立体駐車場などの設置工事を毎年行っているところは少ないと思いますので、実務経験を積み上げて許可を取得すること(専任技術者の要件を満たすこと)はかなり難しいと思います。国家資格で許可を取得するには、技術士の「機械」「流体工学」「熱工学」の資格をもつ専任技術者が必要です。今後中小の建設業者が「機械器具設置工事業」の建設業許可を取得するのは、かなりハードルが高いと思われます。

(所長)

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