兄弟姉妹が相続人(第三順位相続人)の場合は手間がかかります
平成27年5月下旬にお客様(A様)が事務所に来られ、姉が亡くなったので相続の手続をしてほしいと依頼がありました。亡くなった姉B様は、ご主人に先立たれ、子供はいなかった為、A様が日頃から預金通帳の管理など、必要な支援をしていたとのことです。
被相続人であるB様は、ご主人が死亡し子供はいないことから、相続人はB様の兄弟姉妹(第三順位の相続人)ということになります。A様の話では、兄弟姉妹は5人で、そのうちB様を含めて3名が亡くなり、代襲相続人は4名いるとのことでした。
依頼を受け、先ずは相続人を確定する作業から始めました。今回はB様の兄弟姉妹が相続人となりますので、A様やB様のご両親の出生にまで遡って戸籍を取得し、他に兄弟姉妹はいないか確認する必要があります。また、B様より先に亡くなった兄弟姉妹については、その子供(B様の甥・姪)が代襲相続人になりますので、それぞれその出生に遡って戸籍を取得し、他に代襲相続人となる甥・姪がいないか確認する必要があります。
調査の結果、兄弟姉妹は、生まれて間もなく亡くなった方が2名いて、兄弟姉妹は合計7名であることがわかりました。代襲相続人となるB様の甥・姪は、別に甥C様が1名いて、合計5名であることがわかりました。
依頼者のA様に代襲相続人となる甥C様が別に1名いる旨を説明したところ、何とか思い出して頂きましたが、長い間付き合いは全くなく、何処にいるのか、如何しているのかも全く分からない状況でした。このC様にも遺産分割協議に参加して頂かないと相続手続はできませんので、この方を探し出し、連絡を取る必要がありました。
C様の出生からの戸籍を順に次々と取得していきました。戸籍を追っていくと、戸籍の本籍を東京都渋谷区に移していることが分かりましたので、渋谷区役所に出向いて戸籍を取得しました。その戸籍によれば、更に港区に本籍を移していることが分かりましたので、港区役所に行き戸籍を取得しました。そこで、やっと現在(最新)の戸籍にたどり着くことができました。その戸籍の附票を調べ、C様の現在の住所を確認することができました。
A様からC様に手紙を書いて頂いたところ、幸いにC様からA様に電話がありました。C様を含め相続人全員に遺産分割協議に参加して頂き、無事相続手続を完了することができました。A様に喜んで頂いたことはもちろんですが、私自身も、何とか任務を完了できホッとした次第です。
ちなみに、兄弟姉妹が相続人となる相続手続では、今回のように、日頃行き来のない、又は面識のない甥・姪の方が代襲相続人になる場合が多く、相続手続依頼者の気苦労が非常に大きくなったり、相続手続がスムーズに進まないことがよくあります。この様な場合は、亡くなった方が遺言を書いていれば、相続手続が円滑に進み、遺された方の負担が大幅に軽減できると思います。
(所長)