「マイホーム借上げ制度(JTI)」をご存知ですか
中古住宅の活用、活性化を図っていこうという国の方針から、一般社団法人 移住・住みかえ支援機構(以下、JTI)の提供する「マイホーム借上げ制度」が、2006年10月からスタートしています。
「マイホーム借上げ制度」は、JTIが、原則として50歳以上の人を対象に住宅を最長で終身にわたって借上げ、賃貸住宅として転貸し、安定した家賃収入を保証するものです。
自宅保有者がこの制度を利用すると、家賃収入はある程度少なめになりますが、空室保証があり、自宅を売却すること無く、長期にわたって安定的に老後の資金を得たり住み替えを行うことができます。定期借家契約終了時に自宅に戻ることもでき、売却することも可能です。住宅を借りる人にとっても、敷金や礼金がなく優良な住宅を安い家賃で借りることができるというメリットがあります。
自宅保有者にとっては、セカンドライフの生活設計を検討する上で参考になると思います。以下、この制度の特徴について説明します。
制度利用条件
利用対象者 | ・50歳以上の日本に居住する者(国籍不問)、及び配偶者など共同生活者 ・海外に居住する50歳以上の日本人、及び配偶者など共同生活者 ・「移住・住みかえ支援適合住宅」の認定を受けた住宅や、定期借地上の住宅で あれば年齢制限なし。 |
対象住宅 | ・日本国内にある一般住宅(建築基準法や建築基準関係規定に適合している住宅) 一戸建て、タウンハウス、マンションなどが対象で、現在居住している必要はない。 *賃貸アパート、賃貸マンションなど事業用物件は対象外 |
耐震診断・劣化診断 の実施 | ・制度利用者(オーナー)の負担で耐震・劣化診断を受診する必要がある ただし、1981年6月1日以降に建築確認を受けた建物は耐震診断は不要 |
補修・改修費用 の負担 | ・診断の結果、補修・改修が必要な場合、工事費用は制度利用者が負担する ・当初貸し出すにあたり、制度利用者負担でハウスクリーニングを実施する |
入居者による改修 | ・建物の一部につき入居者がJTIの承諾を得て、交換・改修することを、制度利用者 は予め了解する必要あり |
制度利用申し込み時の手数料 | ・制度利用申込書の提出の際、事務手数料として申込金17,000円が必要 |
契約形態
終身型 | ・JTIが最長は終身(対象となる住宅に問題がない限り)で制度利用者(オーナー) から借上げ、入居者に対しては3年の定期借家契約でJTIが転貸する ・転貸借契約満期の6カ月前までに解約通知をすれば、期間満了までに入居者に 退出してもらい、自宅に戻ることができる |
期間指定型 | ・予め制度利用者が指定した期間でJTIが借上げをする ・指定した借上げ期間に近い期間で、JTIが入居者と定期借家契約を締結して、転貸する ・原則として契約期間の途中での解約は認められない |
賃料・空室保証
入居者が 支払う賃料の相場 | ・入居者がJTIに対して支払う月額賃料(JTI査定月額賃料)は近隣賃料相場の 80%〜90%に設定される
※制度利用者(オーナー)の解約の自由を確保するため定期借家契約としており、 また空室保証を設定していることから、近隣賃料相場(一般流通物件相場)より 10%〜20% ほど低く設定している |
制度利用者が 受取る賃料の相場 | ・制度利用者の月額受取り賃料は近隣賃料相場の7割前後の68%〜76.5% になる
※毎月の入居者が支払う賃料に対して15%の諸経費を差し引いた残りの金額を 制度利用者が受取る <諸経費15%の内訳> 空室保証準備積立金およびJTIの運営費: 賃料の10% 管理業務を行う事業者への建物管理費: 賃料の5% |
制度利用者が 受取る空室保証 賃料 | ・入居者がなく空家・空室になった場合でも最低保証として空室保証賃料を毎月 受取ることができる ・空室保証賃料はJTI査定月額賃料(近隣賃料相場の80%〜90%)に関する最も 低い査定(80%)で計算した賃料から15%を差し引いた金額となる ただし上限額は127,500円とされている |
具体的な例 | ①近隣賃料相場 (同等物件の成約賃料) 100,000円 ②JTI査定月額賃料 (近隣賃料相場の80%〜90%) 80,000円〜90,000円 ③予定受取賃料 (査定月額賃料から諸経費15%控除) 68,000円〜76,500円 ④空室保証賃料 (下限査定月額賃料から諸経費15%控除) 68,000円 |