甥・姪11人と配偶者の計12人が相続人でした
平成28年6月10日にA市のB様からご連絡を頂きました。B様のご主人が他界され、相続の手続きが必要になったのでお願いしたいとのことでした。
B様ご夫婦は以前に一人息子を亡くしていましたので、親類から養子を迎えたいと計画していましたが、養子縁組が実現しないうちにご主人が亡くなってしまいました。結果として、相続の手続き上、相続人は配偶者であるB様と、ご主人の兄弟姉妹(第3順位の相続人)ということになります。
亡くなったご主人は7人兄弟姉妹の末っ子で、他の兄弟姉妹6人は既に全員亡くなっていましたので、その子供達、即ちご主人の甥・姪に当たる方達が相続人ということなりました。甥・姪は10人いて、その全員と連絡が取れている、ご主人の葬儀にも来てくれた、とB様からお聞きしました。
相続の手続き上、甥・姪が相続人になるケースは、相続人を特定するための戸籍調査において最も時間を要するパターンです。先ずは亡くなったご主人の両親の出生から死亡までの全ての戸籍を収集します。そこから、ご主人を含め兄弟姉妹が何人いるかを調べます。次に、兄弟姉妹それぞれの出生から死亡までの全ての戸籍を収集します。そこから、その子供達(ご主人の甥・姪)が何人いるか、現在生きている人は誰かを調べます。
ご主人の両親の戸籍を調べている段階で、甥がもう1人いて、甥・姪は11人いることが分かりました。この方はご主人の姉の子供で、幼少のうちに養子としてあるご夫婦に引き取られたことが戸籍に記されていました。この時点では、この方が現在生きているのかどうかは不明でした。この方が生きているのであれば、相続人として遺産分割協議に参加して頂かなければなりません。
そこで、新たな相続人となる甥C様の出現に対応して、その生死と所在を早急に調べる必要が生じましたので、亡くなったご主人の出身地の山形に出向き、関連する戸籍の取得を急ぐことにしました。山形市を手始めに、上山市、高畠町、米沢市、新潟市などを回って戸籍を取得した結果、最終的に、その方が仙台市に住んでいることが分かりました。
依頼者のB様に依頼して甥C様宛に手紙を書いて頂きました。事情を説明すると共に、遺産分割協議の内容に賛同頂きたい旨を手紙にしたためました。生まれてから65年以上経ち、一度も会ったこともないB様にC様から返事が届きました。遺産分割協議証明書(遺産分割協議書)には署名押印があり、印鑑証明書も同封されていました。正直なところ、C様からどのような反応があるか分かりませんので、心配していましたが、本当にホッとしました。
この後、C様以外の10人の甥・姪の方からも遺産分割協議証明書と印鑑証明書を送って頂き、必要な戸籍も全て揃いましたので、遺産分割協議の手続きは終了しました。ここまでで2カ月以上かかりました。
依頼者のB様は、ご主人が亡くなって一人暮らしになり、足が不自由で移動することが難しいこともあり、ご自分で金融機関に出向くことができない状況でした。その為、金融機関窓口における預貯金のB様口座への移し替えに関する相続手続きについても、弊事務所でお引き受けしました。先ずは「ゆうちょ銀行」、「JAバンク」、「信用金庫」、「静銀」の窓口に出向いて相続手続の申し込み及び相続関係書類の提示を行い、次に、どうしてもB様ご本人による手続きが必要なものは、B様を車で金融機関にお連れする形で対応しました。この様にして何度か金融機関の窓口に出向いて、手続を完了いたしました。尚、「ゆうちょ銀行」については、ご本人が窓口に出向かなくても、必要な手続きができる形になっています。
最後の不動産の名義変更登記(連携する司法書士さんに依頼)も含め、すべての依頼業務が完了したのは9月中旬でした。業務開始から完了まで3カ月ほどかかりました。B様に大変喜んで頂きましたので、私も安心しました。
(所長)
