富士根南公民館で「終活のすすめ」講習会を行いました
富士根南公民館のR4年度の教養講座において、「終活のすすめ」講習会を3回に分けて実施しました。私なり「終活」とはどのような事かの定義づけを行い、以下の様な講習内容で臨みました。
受講者は3回とも同じメンバーで、募集人員いっぱいの12名でした。
受講者の皆さん全員が、最後までとても熱心かつ積極的な態度で受講されていましたので、その様子を見て講師の私自身が何だか感動しました。
<1回目は5月20日(金)9:30〜11:30>ライフプランとキャッシュフロー
シニアとしてどのような生活をしたいか、そのための生活資金は足りているか等を数字で具体的に検証する方法として、ライフプランとキャッシュフロー表の作成方法について説明を行いました。
一通りの説明の後、演習形式で、ご自身でライフイベント表や収入・支出計画、キャッシュフロー表への数値の記入を行って頂きました。より理解が深まるようにとの考えからですが、皆さん真剣に記入を行っており、良かったと思います。
受講者の中の1名の女性から、以前からライフプランとキャッシュフロー表を作成しており、毎年見直しも行っているとお話がありました。きちんと実施されている方がいらっしゃることに、意を強くしました。
<2回目は5月27日(金)9:30〜11:30>シニアの財産管理
シニアが自分で財産管理を行うことにはリスクも発生します。身体面の衰えや判断能力の衰えを勘案し、以下の様にいろいろな財産管理の方法がありますので、それぞれの特徴と活用方法を知って頂き、今後に活用して頂きたく、説明を行いました。
・財産管理等委任契約による財産管理
・法定後見の後見・保佐・補助類型による財産管理
・任意後見契約による財産管理
・家族信託契約による財産管理
・信託銀行等が行う(特定の親族による)代理出金機能付信託契約による財産管理
および
・認知症に関する全国銀行協会の新指針
新指針については、指針に沿って以下のように説明をしました。
①本人(シニア)が判断能力を無くしている場合に、預金の引出しには従来は家庭裁判所による成年後見人を選任する必要がありましたが、今後は医療費・介護費・生活費などの緊急的な支出に限定して、親族による預金の引出しが可能になること。
②これまでは本人が委任者と財産管理契約を結んでいても、委任者による本人の預金の引出しが可能かどうか銀行によって対応がまちまちでしたが、今後は委任者による預金の引出しが、全銀行で一律に可能になること
<3回目は6月3日(金)9:30〜11:30>最期にあたり財産の処分と必要事項の通知
シニアが自分の最期を考えるにあたり、やっておいた方が良いことがいくつかあります。代表的なものとして遺言の作成とエンディングノートの作成について説明をしました。
遺言は、自分の財産をどのように処分するかを自分で予め決めることです。財産の処分方法を自分で決めることにより、家族に対する思いを形にすることができます。また、財産の分割をめぐって家族間で争いが発生するのを抑える効果も見込めます。
エンディングノートは、家族に知らせておくべき情報や思いを伝える手段です。医療情報や財産情報、葬儀に関することや思い出などを書き記すことで、家族の負担を抑えることができます。今回は富士宮市が制作したエンディングノートを使って説明を行いました。あまり悩まずに記入することができ、活用しやすいエンディングノートであると思います。
以上(所長)