生前贈与等の影響を生涯キャッシュフロー表(CF表)で確認・検証する

「生前贈与等の影響を生涯キャッシュフロー表(CF表)で確認・検証する」方法を説明します。

高齢者ご自身のライフプラン(生涯生活設計)に沿って将来の資金収支・貯蓄残高の推移を示す生涯キャッシュフロー表(CF表)を作成し、これに相続税対策としての生前贈与等の支出を追加して、将来的に資金収支と貯蓄残高がどのように変わるかを見ます。

下の例および図表(CF表)をもとに説明します。

【基準年における基本情報】

 ①静岡花子の家族構成

  • 花子 78歳、一人暮らし
  • 夫  静岡太郎は5年前に他界
  • 子供 長女A50歳、長男B47歳
  • 孫  (長女Aの子)2人、(長男Bの子)2人

 ②静岡花子の資産

  • 収入 公的年金120万円/年、家賃収入240万円/年 合計360万円/年
  • 支出 基本生活費、保険料、医療費・介護費用、旅行費用等 合計322万円/年
  • 貯蓄残高  8000万円
  • 自宅不動産(相続税評価額) 1000万円(※図表には記載していない)

【今後の生活に関する計画】

  • 4年後 有料老人ホームに入居予定 入居一時金1000万円
  • 4年後 保険料減額
  • 7年後 医療費・介護費用増額

【相続税対策】

  • 1年後 孫2人に教育資金の非課税特例を活用して1500万円生前贈与
  • 2年後 一時払い生命保険加入、受取人は長男、死亡保険金1000万円
  • 5年後 孫2人に教育資金の非課税特例を活用して1500万円生前贈与

【障害キャッシュフロー表の作成条件】

  • 静岡花子は基準年の10年後、「88歳で死亡」と想定して作成
  • 各年の収入と支出は、基準年における現在価値を変動率1%で計算して該当年の金額を算出
  • 貯蓄残高は前年の貯蓄残高に運用利率1%を乗せ、当年度の年間収支を加算して算出

上記を織り込んで作成したのが下の生涯キャッシュフロー表(CF表)です。

CF表.jpeg

このCF表によれば、次のような結果となりました。

  • 3回目の相続税対策を行った時点での貯蓄残高3318万円
  • 死亡を想定した10年後の貯蓄残高3432万円

これを見ると、次のことが言えると思います。

  ①静岡花子の老後生活資金(貯蓄残高)は、生前贈与等を行った後も充分に残っています。

  ②生前贈与等をもう少し増やしても、支障はなさそうです。

  ③死亡想定年における貯蓄残高と自宅不動産に対する相続税を計算すると約23万円に

   なります。(計算の詳細は省略)

  ④死亡想定年における概略の遺産内容が分かりますので、遺言も作成し易と思います。

以上の様に、生前贈与等に伴い高齢者の将来の資金収支・貯蓄残高がどのよに変わるか、生前贈与等の額はどのくらいまで増やしても大丈夫か、最終的に相続税はおおよそどのくらいになりそうか、などを目に見える形で時系列的に確認することができます。

高齢者にとっては、不安を感じることなく、生前贈与等の相続税対策を行うことができると思います。

また、遺産となるべき財産の概略を把握できますので、遺言の作成にも役立つと思います。 

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